研究概要 |
1平方インチあたり1Tbitの情報記録には,現行の磁気記録では難しく,新たな光記録と磁気記録の技術を融合した光アシスト磁気記録が有望と考えられている.しかし,光の収束方法,磁気ヘッドとの複合など新たな課題が多い.本研究では,光アシスト磁気記録実験装置構築とディスク表面電位解析により,実現のための基礎研究を実施する. 本年度は以下の実績を得た. 1)光アシスト磁気記録評価装置の構築 光ディスク評価装置に磁気ヘッドを搭載するための装置設計,構築を行い,次年度の基礎実験開始を可能とした.また,ディスク表面潤滑のための準備を進め,潤滑剤コートの基礎準備を行った. 2)光アシスト記録材料の研究 光アシスト磁気記録媒体の一つとして,アモルファス磁性材料と磁気異方性の大きい磁性材料とを複合した記録材料を想定し,FePt高磁気異方性材料の熱処理手法の検討を行った.これにより配向制御を可能とし,室温で22kOeの保磁力を有する磁性薄膜を実現した. 3)表面電位計測システムの構築 表面電位計測のための探針機構を自作し,カンチレバーに働く静電力から表面電位を計測するシステムを構築した.本装置は10ミクロン程度の空間分解能を有し,今後ディスク表面電位計測用いる. 今後,これらの成果を踏まえて研究を進める.
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