研究課題/領域番号 |
14550335
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
鷹野 致和 明星大学, 理工学部, 教授 (90287897)
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研究分担者 |
松井 敏明 通信技術総合研究所, ミリ波デバイスG, 室長
小倉 睦郎 産業技術総合研究所, 量子ナノ構造G, グループリーダー (90356717)
板谷 太郎 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究官 (60356459)
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キーワード | 非線形伝送線路 / EOサンプリング / 290フェムト秒パルス / ICソリトン / 可変容量ダイオード / 分散関係 / 40GHzインピダンス測定 / 位相速度測定 |
研究概要 |
GaAs半絶縁性基板上にn型3000nm、P型1000nm、i-AlGaAs500nm、I-GaAs1000nmをMBE成長しPN接合結晶基板を作製した。又伝送線路ならびにPN接合ダイオード構造を作りこむためのマスクを設計発注した。作製した基板上にこのマスクを用いて、レジスト塗布・露光・現像からなるフォトリソグラフ工程、電子ビーム蒸着・アロイ工程による電極作製、ウェットエッチングによる不要部分の除去工程、感光性ポリイミド塗布による伝送線路形成を行って、GaAs非線形伝送線路を試作した。さらにこの線路の一部に4nmのTi薄膜を蒸着後AFM加工によって約100nm長のTiO2光スリットを設け光導電スイッチを付け加えた。この光スイッチはバイアス電圧10Vで93MΩの抵抗を持ち、光照射時の電界は1MV/cmと推定される。このスイッチに波長780nm、180fs、10mWの超短光パルスを40MHzで印加し、EOサンプリング用の光ブリッジ回路を構成して超短パルスの発生伝播特性を測定した。その結果、光発生だけで310フェムト秒のパルス幅であったものが、非線型性伝送線路を通ることによって290フェムト秒に短縮されることが明らかになった。さらに伝送線路のインピダンス、位相、透過率を40GHzまで測定し、試作した線路の位相速度が1.7x10^10cm/secとなることを確かめた。さらに、高性能伝送線路を達成するため、ヘテロバリアーバラクターダイオード(HVD)をGaAs/GaAlAs系で設計して基板成長を行いフォトリソ工程を行ってダイオードを試作し、その容量電圧特性を測定して、0バイアスで対称な可変容量特性を示すことを確認した。これらの結果はカナダ、米国での国際会議で口頭発表すると共に、国内JJAP誌、明星大学理工学部紀要等に発表し高い評価を得ている。
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