研究概要 |
ナノインプリントリソグラフィ(Nanoinipdnt Lithography : NJL)技術において、特に重要なものはモールドで、このモールドに要求される事項として、(1)微細パターンを形成する技術が存在すること、(2)押しつけ時の圧力に耐えられること、(3)圧力による変形、破損が少ないこと、(4)大量生産のために繰り返しの押しつけに耐えられることなどが挙げられる。そのためモールド材料として高硬度、耐磨耗性、化学的に安定などの特黙性質を有するダイヤモンドが適していると考えられる。そこで本研究で開発した有機酸金属塩マスクを用いた電子ビームリソグラフィによるダイヤモンドの微細パターンプロセスによりダイヤモンドモールドの作製を行った。また、本研究で開発し、試作したコンパクトナノインプリント装置、転写材料には室温で高精度パターン転写が可能なSOG(Spin-On-Glass)、本研究で開発し作製したダイヤモンドモールドを用いて、マイクロマシンに使用するダイヤモンドマイクロギアやモーターの作製を試みた。電子ビームリソグラフィ技術で有機酸金属塩であるオクチル酸Bi_4Ti_3O_<12>をマスクとして用いることにより、高さ0.6μmのドット(直径500nm)、ライン(線幅500nm)、格子(線幅1.0μm)、ギア、風車のダイヤモンドモールドを作製した。これらを用いて得られたインプリント深さの圧力依存性から0.6MPa以下ではパターンは転写されなかったが、0.65MPaからは圧力を増すにしたがって、インプリント深さが線形的に増えていくことがわかった。インプリント圧力が0.8MPaのときにインプリント深さは約0.5μmとなり、SOGの膜厚が0.5μmであるため、この圧力でNILを行った。その結果、ダイヤモンドモールドのパターンが転写され、SOGの高精度の微細マスクパターンが形成できた。これを高選択比100(Dia/SOG)が得られた加工条件(300W,3sccm)で酸素ナラズヤを照射し、マイクロデバイスの作製を試みる。
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