研究概要 |
音楽データや画像データ等のディジタルコンテンツを配布する際の著作権を保護するために,電子透かし等を埋め込む手法が研究されている.しかしながら,この手法は,元のデータを傷つけることにより透かし情報を埋め込むことから,元の音質あるいは画質を保ったままでデータを配信することが不可能である.しかしながら,芸術性が追求される画像や音楽データについては,著作物の品質を保ったままオリジナルデータを提供し,かつ,著作権を守ることが必要である.このような必要性から、オリジナルデータを公開していながらも,無断転載に対して,著作物であることを主張するためのシステムの実現を目指し、本研究課題を進めた。今年度は初年度であり、IFSパラメータから署名画像を抽出する手法を考えた.その結果、フラクタル画像符号化における復号器の原理(IFSパラメータのみから原画像を再生する)を応用し,IFSパラメータから署名画像を生成する著者認証システムが実現できた。この実現システムは、電子情報通信学会においてもその新規性を認められ、論文として掲載となった。また、その手法を高速画像検索に応用が可能であるという新たな知見も得られ、さらなる発展が期待できる。
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