研究課題/領域番号 |
14550354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
北澤 茂良 静岡大学, 情報学部, 教授 (00109018)
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研究分担者 |
岩崎 聡 浜松医科大学, 医学部, 講師 (00232653)
桐山 伸也 静岡大学, 情報学部, 助手 (20345804)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 人工内耳 / 人工内耳聴取音 / ストラテジ / コクレア / ACE / CSPE |
研究概要 |
(1)人工内耳の音質向上を目指して、音響シミュレーションに基づく音声処理方式の開発を行ってきたのを受けて、人工内耳装用者とその担当医師の協力を得て、インタビューとアンケート調査を行った。その結果、人工内耳装用者の聴取音は音響シミュレーションの音質より高いことが分かった。また、人工内耳装用者の最初の「音入れ」に立会って聞取りをしたところ、音入れ直後は雑音が多いが、早い人では数分後には雑音が消えた明瞭な音声になることが分かった。このことから、聴覚末梢系では音入れ直後は我々がこれまで行ってきた音響シミュレーションのように雑音の多い音であるが、短時間に我々がまだ解明出来てない高次の適応力によって音質が向上していると推測された。 (2)マルチパルス符号化法とSPEAK法との音響シミュレーションでの健聴者の聴取実験を行った。さらに、同一の資料音声を用いて人工内耳装用者による聴取実験を行った。その結果、人工内耳装用者の成績は音響シミュレーションのSPEAK法より低く、音響シミュレーションのマルチパルス符号化法よりは高かった。 (3)本方式の有効性を確認するためにコクレア社Brett Swanson氏の協力の下に人工内耳装用者について浜松医科大学付属病院で音声聴取実験を行った。人工内耳装用者の電極信号調節装置を用いた任意の生成パルス送信装置を、分担者岩崎の立会いの下で、人工内耳装用者によって聴取する実験を行った。既送出の電極パルスの効果を考慮した電極選択アルゴリズムを考案し、現行の人工内耳符号化方式であるACE方式と比較したとき、1回の実験でも有意に音声聴取精度が向上したことから、さらに継続的使用による習熟による聴取精度の向上が期待できた。この成果は特許出願し、論文として発表した。
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