研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ミリ波帯を用いたマルチメディア伝送用の高移動速度・高速(50〜100Mビット/秒)・高信頼度無線データ伝送方式の提案を目的とした。平成14年度は、ミリ波帯高速ディジタル無線変復調方式の理論の構築及びシミュレーション実験を行った。遅延波による符号間干渉を効率よく補償する方式の構築を行った。マルチキャリア伝送方式の採用によりシンボル速度を低減し、最大遅延時間を数シンボル時間までに収める。提案システムとして、1)トレリス符号化変調ターボ等化送受信方式を検討した。2)として、複数の送信・受信アンテナを用いたMIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて、多重連接ターボ誤り訂正符号化を行う方式を提案した。さらに、3)自動再送制御(ARQ)方式についても検討し、無符号化軟判定パケット合成方式を提案した。またDSP及びFPGAハードウェアー基礎実験を行った。平成15年度は、引き続き1)トレリス符号化変調ターボ等化送受信方式を検討した。また2)として、MIMOシステムにおいてターボ符号化の代わりに低密度パリティーチェック(LDPC)誤り訂正符号化を行う方式を提案した。さらに3)として、時間・周波数選択性フェージング通信路におけるMC-DS/CDMA方式の2次元拡散方式に関する検討を行った。平成16年度は、1)LDPC符号化ターボ等化送受信方式を検討した。すなわち内部のISI等化器の構成を種々変化させて性能を評価した。また2)MIMOシステムにおけるLDPC符号化方式の研究をさらに進めた。このシステムつき,種々の多重化キャンセラーのアルゴリズムの性能比較を行った。さらに3)FFTを用いたマルチパイロット化フェージング補償方式に関する検討も行った。さらに4)周波数選択性マルチパス通信路における16周波FSKエネルギー検波系列推定方式の研究も行い、大きな周波数ダイバーシティー効果を得た。以上マルチメディア伝送用超高速ディジタル無線変調方式の理論構築及びシミュレーション実験を進め、複数の通信方式の性能を詳細に評価した。平成14年度〜16年度に得られた成果は、別表の通り、電子情報通信学会論文誌、IEEEの国際会議や電子情報通信学会専門研究会などで発表した。
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