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2003 年度 実績報告書

可変サンプリングレートによるディジタル信号処理アルゴリズムの実用面からの検討

研究課題

研究課題/領域番号 14550356
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

田所 嘉昭  豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90005463)

研究分担者 斎藤 努  豊田工業高等専門学校, 電気/電子システム工学科, 助教授 (60280393)
野口 健太郎  豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (00335100)
キーワード可変サンプリングレート / ディジタル信号処理 / 離散フーリエ変換 / 周波数推定 / くし形フィルタ / 同期加減算処理 / 適応処理 / 並列処理
研究概要

平成12,13年度の科学研究費で,サンプリングを可変させる新しいディジタル信号処理のいくつかのアルゴリズムを開発した.本研究では,この提案されたアルゴリズムを実用面から再検討することを目的した.これらのアルゴリズムはサンプリングを可変にすることで信号処理が主に加減算で行われ,演算や処理装置の簡単化に結びつく.以下,本研究で得られた主な結果を列挙する.
1.異なるサンプリングレートをもつフィルタ間の接続法
従来の一つの高いサンプリング周波数を使うオーバーサンプリング法に変えて,フィルタ間に1次ホールド処理を入れることで,例えば周波数推定の演算量が約1/10に減少できた.
2.同期加減算処理による周波数推定の高速化
並列同期加減算処理の両累積値の振幅値の比較結果によりサンプリングレートを制御する方法を提案し,推定時間を約1/3に短縮し,追従特性の改善を実現できた.
3.マルチレートDFT(MR-DFT),くし形フーリエ変換の雑音に対するロバスト性改善
MR-DFTでは,位相を変えた2つの処理を平均化することで,通常のDFTと同程度の性能を実現した.一方,ノッチ型くし形フィルタを基本としたくし形フーリエ変換に対して,resonator(共振)型くし形フィルタからなるResonator Fourier Transform(RFT)を開発し,信号受信機や打楽器を含む楽音に対する採譜システムに適用してそのロバスト性を確認した.
4.実楽器音や歌唱音を対象にした採譜システム
周波数変動や雑音環境の楽音に対して,並列構成ノッチ型くし形フィルタの最小出力値,並列構成共振型くし形フィルタの最大出力値に注目した採譜システム,適応くし形フィルタによる採譜システムを提案し,高い音高推定結果が得られた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 野口 健太郎: "符号化アルゴリズムに基づいた適応遅延ノッチフィルタによる周波数推定"電気学会論文誌. 122-C・12. 2055-2060 (2002)

  • [文献書誌] 小幡 賢三: "ホルマント位相差を利用した音源位置推定"電気学会論文誌. 122-C・12. 2067-2075 (2002)

  • [文献書誌] 工藤 憲昌: "適応アルゴリズムを用いたフーリエ係数推定法の特性改善とその近似解析"電気学会論文誌. 123-C・7. 1277-1284 (2003)

  • [文献書誌] 小幡 賢三: "音像定位のためのホルマント位相差に基づく移動音源追従"計測自動制御学会論文誌. 39・10. 896-903 (2003)

  • [文献書誌] 山本 浩子: "マルチレート離散フーリエ変換の特性改善"電気学会論文誌. 123-C・12. 2066-2072 (2003)

  • [文献書誌] 花田 修: "並列同期加減算処理による周波数推定の収束速度の改善"電子情報通信学会論文誌. J87-A・2. 190-198 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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