研究概要 |
線形符号における非線形部分符号として重要な最小重み部分符号に関するいくつかの研究を行った. (1)軟値出力復号法として,候補符号語から最小距離にある符号語の探索(最小重み部分符号の復号)を繰り返し利用する復号法について検討した.この最小距離にある符号語の探索では特定の位置の記号が0あるいは1に固定された符号語をみつける必要があり,これをすべての位置について行う.リードマラー符号の構造を利用して計算量の削減を行った. (2)連接符号の内部符号として適当な符号長64,情報記号数40程度の符号として,最小重み部分符号が簡単になる符号を探索した.探索対象として,最大距離分離符号であるリード・ソロモン符号の短縮符号を対象として探索を行い,いくつかのよい符号を見出した.さらに,ビット順序を工夫することにより,符号のトレリス構造が簡単になることを見出した.これについては,IEEEの国際会議へ投稿中である. (3)符号の性能評価上重要な局所距離分布の計算法について検討を行い,BCH符号がアフィン変換で,リードマラー符号が一般線形変換で閉じていることを利用できる計算法を開発した.この計算法では,符号が閉じている変換について,その変換で閉じている部分符号を考える.そして,その部分符号でもとの符号をコセット展開し,局所距離分布に関して同じ性質をもつコセットに分類し,代表コセットについて局所距離分布への寄与を計算し,全体の局所距離分布を求める.変換この計算法を用いて,これまで局所距離分布がわかっていなかったいくつかの符号についてその局所距離分布を求めた.これについては電子情報通信学会研究会で発表した.
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