研究課題
基盤研究(C)
従来から様々なポーラリメトリック較正アルゴリズムが研究され、提案されてきた。これらには、それぞれ長所、短所があり、必要に応じて使い分けられてきた。本研究では、2基の基準反射器(偏波保存型反射器、偏波選択型反射器)を使用するアルゴリズムを開発し、シャトル搭載レーダのデータを用いてその妥当性を示した。ALOS衛星搭載合成開口レーダは、Lバンドという比較的低い周波数の電波を使用する。観測時に、その偏波面が電離層内でファラデー回転を起こすが、電離層の状態によっては無視し得ない場合がある。そこで、ファラデー回転の影響を除去する方式についても、新しく提案を行なった。レーダのポーラリメトリック較正には、偏波回転型や偏波選択型の反射器を使用する。新しく考案し、別途開発したretro-directive PARCの詳しい特性測定を実施し、広い角度特性と高い交差偏波識別度を確認した。また、受動型の偏波回転型反射器において、直接散乱波を抑圧する手法を考案し、実験によってその有効性を確かめた。さらに、フィールド実験用の受動型偏波回転型反射器を試作し、レーダ断面積15dBm^2を持つことを実験的に確認した。この他、偏波グリッドを用いた偏波選択型反射器についても研究を進め、2層構造の新しい反射器を考案して、その有効性を実験により示した。H-2ロケットの不具合により、残念ながら研究期間内にALOS衛星が打ち上げられることは無かった。しかし、JAXA/NICTによって実施された航空機搭載合成開口レーダ実験をALOS衛星実験として位置付け、ポーラリメトリック較正実験を行なった。その結果、水平偏波と垂直偏波の差が1dB以内、位相差が10度以内、交差偏波ノイズが-25dB以下と満足すべき結果を得、本アルゴリズムの妥当性、本反射器の妥当性が示された。
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (8件)
IEICE Transactions on Communications (accepted)
IEICE Transactions on Communications Vol.E88-B (accepted)
MICE Transactions on Communications E87-B
ページ: 1045-1047
IEICE Transactions on Communications E87-B
ページ: 3753-3758
IEICE Transactions on Communications Vol.E87-B, No.4
IEICE Transactions on Communications Vol.E87-B, No.12
IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensing 41
ページ: 2177-2186
IEEE Transactions on Geosicence and Remote Sensing Vol.41, No.10