研究分担者 |
上野 健治 北海道工業大学, 工学部, 教授 (00337015)
初田 健 北海道工業大学, 工学部, 教授 (10198757)
西 正博 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (30316137)
尾保手 茂樹 茨城大学, 工学部, 助教授 (50323209)
鹿子嶋 憲一 茨城大学, 工学部, 教授 (70292472)
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研究概要 |
近年、地震に伴う電磁現象の研究が、直流の地電位測定からVHF帯の電波の領域まで幅広く行われるようになり、地震に関連した電磁現象があるのか、ないのか、あるとすれば、どの程度なのか、多くの機関で地道な観測が続けられている。 本研究は、比較的人工ノイズが少ないVHF帯(FM放送帯)に着目し、地震に伴う電磁現象を検出することを目的として研究に着手した。FM放送帯において、地震に関連した電磁現象の観測を精度よく行うためには、観測した受信レベルの変動が広帯域電磁波によるものか、あるいは人工のFM放送波によるものか、明確な識別が必須条件となる。また、受信レベルの変動が地震によるものかどうかの識別には、一ヶ所のみならず、複数の異なる観測点での同一現象の観測が不可欠である。 本研究は広島市立大学(広島市)、茨城大学(日立市)、北海道工業大学(札幌市)の3大学の共同研究とし、かつ異なる3地点での複眼観測を行った。また、信頼性の高い観測を実施するため、電波観測における3大要素である、観測方法、アンテナ、電波伝播について、それぞれ3大学の研究チームで分担し研究を行った。 平成15年度は、シンセサイズドPLL型FMチューナを用いた2周波法による統一仕様の観測系を、広島市立大学、北海道工業大学、茨城大学に構築し観測を行った。人工ノイズを最小限にした結果,-120dBmまで,高安定かつ高精度な観測を行うことができた。観測期間中の最大電磁現象として,10月28日9:51(UT)の太陽フレアを,異なる3ヶ所で同一の現象として-90dBmのレベル観測に成功した。現在論文化中である。観測期間中M5以上の地震は国内で33回発生した。本研究の対象である地震電磁現象は,太陽フレアや前線通過に伴う電磁放電より微弱な電磁現象であった。引き続き地震と電磁現象の関連を科学的に解き明かすため,観測を継続する予定である。
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