研究概要 |
人的災害や自然災害等による自然環境や情報環境のとっさの変化を離散通信系と離散信号及び両者の相互関係の突然の変化としてモデル化し、離散通信系や離散信号の周波数特性や標本点間隔の突然の変化に対し速やかに可能なディジタル多重通信装置を開発する研究を進め、第二段階である平成15年度では、(1)フーリエスペクトルの重み付き2乗積分が有界な多次元離散信号を対象とし多次元FIRディジタルフィルタバンクを用いる信号近似問題に関し、解析フィルタが与えられたとき信号集合に属す信号全体にわたる殆ど全ての近似誤差の上限を一斉に最小とする最適内挿関数を得る必要十分条件を確立した。 (2)上述の理論を応用して、受信側の各チャンネルの周波数特性が当初に設定した特性から相当程度ずれた場合に送信側で多次元FIRフィルタを調整し多重通信を復活することが可能である柔軟なディジタル多次元多重通信装置の理論を、実用上重要な多次元FIRフィルタの場合について確立した。 (3)フリーソフトのみを用いて、ウィンドウズXP,ウィンドウズ2000,リナックス、リンドウズをインストールし再起動で適宜に切り替え可能なノート型PCを発明し、ソフトハウスと守秘義務契約を結び開発を進めることになった。この開発途上で、瞬時にPC中の全てのウィンドウズ用ソフトが失われることが多発したため、リナックスワークステーションを導入し回線で結びバックアップを随時行うシステムを作成しついに開発に成功した。これらを組み合わせた多次元FIR多重通信装置に使用される多次元FIRフィルタのタップ係数と伝送特性を求めるC++言語によるプログラムを2次元の場合について開発し近似性能が良いことを確認した。 (4)成果をまとめて電子情報通信学会技術研究報告と国際会議IEEE ISIT International Conferenceにおいて発表した。
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