研究概要 |
1.非対称トラヒックを効率的に収容できる波長多重オプティカルリングネットワークの構成法を提案した。考案した方法は、ノードiからノードmへ現用パスを最短方向に収容、同一ファイバ内でこの反対周りに現用パスと同一波長の予備パスを収容し,プロテクション技術は片方向単位に切替ができるOUPSR(Optical Unidirec-tional Path Switched Ring)とした。本方式は、1芯ファイバしか用いないにもかかわらず、単一のリンク故障に対して救済が可能となる。本方式を実現するためのオプティカル多重分岐装置(OADM)の構成法を考案した。OADM基本機能は1本のファイバに右方向と左方向の波長を同時に多重分離できる機能と、波長毎に挿入,落ち,通過を選択できる機能であり、アレイ導波路回折格子と2×2熱光学効果スイッチを組み合わせることにより実現できる。本方式と既存方式のファイバ芯線数を求め,コスト評価を行い、本方式が優れていることが分かった。 2.広帯域の光ネットワークの特性を十分に活用できる帯域予約型TCPを考案し、TCPをLinux上に実装し、MPLSネットワークで実験を行った。MPLSのエッジルータにはバッファのキュー制御方式としてCBWFQを設定し、ネットワークの遅延と帯域を変化させグッドプット特性を測定した。その結果、提案方式は既存のnew Renoと比べ、RTTが大きいほど効率が高くなり、最大40%程度効率改善が見られた。 3.MPLSパス切替を行ったときのTCPグッドプット特性の劣化モードを解析し、劣化の少ないMPLSパスプロテクション網構成を検討した。 4.本方式で用いる光コネクタについて、結晶化ガラスフェルールを用いた光コネクタ端面パラメータの設計及び信頼性評価を行い、接続点55dB以上の低反射で1接続ポイントの価格を従来の1/3に低減できる可能性を示した。
|