本研究の目的は、遠隔地における在宅高齢者の介護福祉を目的として、ホームネットワークを利用した介護情報管理と健康管理を行うホームヘルスケアシステムの開発に関して、高速ホームネットワークの構築、介護データの収集とホームネットワークへの送信に関する研究、顔画像(動画像)データ及び胸部X線画像(高精細画像)の圧縮と伝送に関する研究、介護情報管理システムの構築及び実用化に向けて問題点の抽出と解決法の模索について研究を行った。 IEEE1394をホームバスとするホームネットワークを構築し、バイタルデータ計測(血圧、脈拍、その他)のためのシミュレータ(BOXパソコンでUSBインタフェース装着)を試作し、バイタルデータを自動的に収集し、ファイル化できるシステムとした。また、これをインターネットと接続し、医者側から閲覧できるシステムである在宅ケアデータ収集システムとして構築した。今年度は、さらに本システムを1(医者側)対N(患者側)のシステムとして拡張した。 独自の画像圧縮法を応用して動画像のリアルタイム伝送を可能とし、サーバー側(ホームドクター側)とクライアント側(高齢者側)を学内LANで接続した分散強調ネットワークをJAVA言語で開発し、ホームセキュリティを附加したシステムとして構築した。本システムは、顔画像ならびに音声が、CCDカメラを用いて安価に送受信可能な独自システムである。また、従来の手法を改善した胸部X線の肺野領域抽出法も提案した。 これらの研究成果は、まだ残念ながら今年度の発表段階にいたっておらず、平成17年度に発表する予定である。
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