研究課題/領域番号 |
14550396
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研究機関 | メディア教育開発センター |
研究代表者 |
結城 皖曠 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (60300696)
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研究分担者 |
安田 浩 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (10292765)
浅井 紀久夫 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (90290874)
大澤 範高 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (30251721)
武藤 憲司 東京都立航空工業高等専門学校, 電子工学科, 助教授 (30259832)
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キーワード | 仮想共有空間 / 多地点会議 / 音響制御 / エコーキャンセラ / ディジタル適応フィルタ / 適応アルゴリズム / シミュレーション |
研究概要 |
次世代の遠隔ビデオ会議には、より高い臨場感あるいは没入感が要求される。従来の遠隔会議システムでは映像に重点が置かれており、音声はモノラルでしかも品質が制限されてきたため、臨場感が損なわれる原因となっていた。本研究では、仮想共有空間での多地点会議で遠隔話者の音像定位と自動音声調整を行う音響制御装置の開発を行い、高臨場感遠隔会議を実現することを目指す。 音響に関して空間的な臨場感を高めるため、複数地点の話者を識別する複数スピーカを用意して音像の定位を図る。この立体音響に対して、複数スピーカから話者マイクに漏れ込むエコーを除去する必要があり、多チャンネルに対応した高性能エコーキャンセラを開発しなければならない。また、集中交換と複雑な調整を避けるため、各サイトに音響制御装置を配置する負荷分散が要求される。そこで、高臨場感遠隔会議に必要なエコーキャンセル機能、音量調整機能を有する音響制御装置を構成し、より円滑なコミュニケーション環境を構築することが本研究の目的である。 今年度は、2チャンネル・エコーキャンセラの適応フィルタにおいて、優れた収束特性を有する適応アルゴリズムの設計をコンピュータ・シミュレーションにより解析的に行った。2チャンネルのエコーキャンセラにステップゲインを逐次修正する射影アルゴリズムを用いた場合について検討し、遠隔地の2箇所の話者と送信側の話者が同時に話すという悪条件下でのコンピュータ・シミュレーションを行った。その結果、音響エコー経路が大きく変化した場合でも、推定誤差は10秒程度で約-10dBに減少した。遠隔地それぞれのチャンネルの信号に相関がある場合、相関が大きくなるに従って、推定誤差の減少が遅くなることがわかった。
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