研究課題
次世代の遠隔ビデオ会議には、より高い臨場感あるいは没入感が要求される。従来の遠隔会議システムでは映像に重点が置かれており、音声はモノラルでしかも品質が制限されてきたため、臨場感が損なわれる原因となっていた。本研究では、仮想共有空間での多地点会議で遠隔話者の音像定位と音響制御システムの開発を行い、高臨場感遠隔会議を実現することを目指す。音響に関して空間的な臨場感を高めるため、複数スピーカから話者マイクに漏れ込むエコーを除去する多チャンネル・エコーキャンセラの構成検討を行ってきた。ディジタル適応フィルタの構成法開発と高速適応アルゴリズムの高度化、仮想共有空間において多地点会議に実際に利用可能なコンテンツ開発から、臨場感評価に必要となる音響測定の重要性が示唆された。そこで、本年度は臨場感評価について検討するため、以下の研究を並行して進めた。(1)エコーキャンセラの実装2チャンネル・エコーキャンセラの適応フィルタにおいて、適応アルゴリズムの計算機シミュレーションによる解析結果とディジタル信号処理装置に実装するための適応性能を検討し、プログラム設計を行った。(2)仮想空間用コンテンツの実装三次元仮想空間を体感的に探索できるアプリケーションを設計・作成し、視点移動に伴う音像定位を連動させるコンテンツとして没入型仮想環境システムに実装した。(3)臨場感効果測定音像定位や高精細画像といった臨場感を伴う刺激の効果を測定するため、fMRIによる脳血流量の変化を利用した脳機能評価測定を試行した。MRI利用時の音響環境測定で騒音レベルを確認し、立体映像刺激提示方法を確立した。
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