従来から提案されているGMDH-typeニューラルネットワークスのアルゴリズムを発展させて医用画像診断支援に適したニューラルネットワークスの構造をコンピュータに自己組織化させる新しいアルゴリズムを開発した。そして、新しく開発したGMDH-typeニューラルネットワークスのアルゴリズムを医用画像診断支援(CAD)へ応用した。この改良形GMDH-typeニューラルネットワークスのアルゴリズムは、多くの画像特徴量の中からニューラルネットワークスの自己組織化に有用な画像特徴量のみを自己選択する能力を備えており、さらに、ネットワークスの内部において有用な非線形入力変数を自己発生する能力を備えている。ニューラルネットワークスの構造は発見的自己組織化法に基づいて自己組織化され、汎化能力の大きな階層型ニューラルネットワークスを構成できる。本研究で対象とした医用画像は胃X線画像と頭部MRI画像で、改良形GMDH-typeニューラルネットワークスを用いて臓器の軟部組織の輪郭を自動抽出した。ニューラルネットワークスの入力変数としては、N×N画素近傍領域の画素濃度の基本統計量を用いた。そして、これらの中から有用な入力変数のみを自己選択させて画像診断支援を行うのに適したニューラルネットワークスの構造を自己組織化させた。自己組織化させた改良形GMDH-typeニューラルネットワークスを用いて臓器の軟部組織の輪郭の自動抽出を行い、本研究において開発した改良形GMDH-typeニューラルネットワークスのアルゴリズムの医用画像認識に対する有効性を確認した。
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