金属球の形、大きさ、材質、厚さ等が位置測定に使う高周波発振型非接触近接センサの感度特性に与える影響を調べた。その結果、使う金属球を唯一指定するとその存在領域は実験式で一意に決まることを確認した。とくに、本研究で使用する金属球の存在領域はセンサ前方を軸とする回転楕円体面になり、これを実験式で定式化可能にした。また、3つの近接センサを球殻中心に向けて互いに直交させて球殻外に配置することで、3つの異なる回転楕円体面の交点として金属球中心位置が求まることを確認した。 引き続き、球殻内側に弾性層を置き荷重に対する弾性層の沈み量を計測する装置を組み、実測した。具体的に、非金属のアクリル製半球殻内面に離型材を吹き付け、その中に室温硬化型シリコンエラストマーを流し込み、硬度約20の半球弾性層を作成した。基材、触媒、型取り器を違えて異なる硬度や厚さの弾性層も作成した。そして、弾性層を介在させた状態で荷重を与え、マイクロゲージ、及び購入した非接触変位計を用いて各種弾性層の圧力対歪の特性を測定した。同時に、弾性の変形力学に有効なヘルツの公式を用い、弾性層のヤング率とポアソン比の概略値を使い、圧力対歪を定める式を導いた。また、実測値と測定値を比較し、相関があることを確認し、両者の関係を定式化した。 さらに、共同研究者と直接意見を交換し、2つの半球弾性層の接合面と2つの半球殻の接合面を互いに直交させる整合法の利点を見だし、今後の試作に活かしていくことにした。
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