音叉型水晶触覚センサをシリコンゴムや金属、プラスチック等に接触させて、共振時のインピーダンス増加から粘弾性特性や物体のヤング率等の硬い、柔らかいが分かるか検討した。真鍮、ステンレス、銅、鉄、アルミ、アクリル、各種シリコンゴム等への接触実験から硬い物質ほどインピーダンス増加が大きく、柔らかい物質であるアクリル、各種シリコンゴムほどインピーダンス増加が小さいことが判明した。即ち、触覚センサの接触前後のインピーダンス増加の大小によって、硬い、柔らかい等の識別が可能であることが判明した。更に、音叉型水晶触覚センサが物体に接触したときの状態をモデル化した。音叉形水晶振動子の基底部は屈曲振動している。このとき、接触する物体からの反力を基底部は受けて周波数が変化する。この物体からの反力を組み込んだ運動方程式をウィンクラーの弾性基礎を用いて構築した。この運動方程式は物体の弾性のみを考慮したものである。この反力を組み込んだ運動方程式を基底部に採用し、単純屈曲棒の運動方程式を腕に採用して音叉型水晶触覚センサのモデルを構築した。この運動方程式の周波数解析から、触覚センサの周波数は接触する物体のヤング率Eと密度ρの比で増加した。実験では金属の場合、音速の違いによって銅系と鉄系で2つのグラフに分かれた。シリコンゴムの場合でも、周波数はヤング率と密度の比で増加し、実験に用いたシリコンゴムの場合には傾向として2本のグラフに分かれた。シリコンゴムは粘弾性であることから、周波数変化の違いとして本触覚センサは粘弾性を識別している可能性がある。
|