研究概要 |
本年度は,(1)屈折境界面が平面の場合における観測パラメータ決定,(2)レーザーレンジファインダを用いた水中物体の計測,(3)移動カメラによる水中物体の計測を行った.(1)については,カメラの保護ガラス面や水槽壁面など,屈折率が不連続となる境界面とカメラとの位置関係を計測する手法を構築した.ここでは,2台のCCDカメラと画像処理ボード(申請物品)によりステレオビジョンシステムを構築し,レーザー光源を用いて,カメラ同士の位置関係やレーザー光源との位置関係を求めた.具体的には,光線追跡に基づき,左右のカメラにおいて光線上にある点の関係式を求め,キャリブレーション誤差やノイズの影響を除去するために,統計的手法を用いて誤差が最小となる観測パラメータを決定した.(2)については,レーザーレンジファインダを用い,水槽物体に光を照射することにより,水中物体の3次元位置・形状を計測した.ここでは,立方体や円柱など比較的簡単な物体の計測を目的とし,1台のCCDカメラにより物体に照射された光を追跡し,3次元位置・姿勢の計算を行う.また,水槽に対するレーザーレンジファインダの設置条件(設置角度)に制約を加えることにより,計算時間の短縮と精度の向上を図った.(3)については,マニピュレータの手先にCCDカメラを設置し,水槽の周囲を効率良く移動しながら水中物体を計測する手法を構築した.ここでは,マニピュレータを移動させながら連続画像を取得し,それらの画像合成を行い1枚の画像にした後に,水中物体の3次元位置・形状の推定を行うことにより,精度が高く矛盾のない結果を得た.
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