研究概要 |
光学的計測系におけるスポット光の入射位置検出は,レンジファインダやモーションキャプチャなどの種々の実計測システムにおける,空間位置情報を取得する手段として,システム全体のパフォーマンスを決定づける重要な要素である.このようなスポット光位置の検出には,主として,CCD(Charge Coupled Devices)やPSD(Position Sensitive Detector)のような光学的位置検出素子が用いられることが多い.しかし,これらのセンサは一般的にはスポット光位置の検出にとどまり,スポット光の入射角度の検出が原理的に困難である.そこで,本研究ではスポット光の入射位置と入射角度が同時に検出できる画像センサの開発研究に取り組むことを目的とする.本年度は以下のようにプロトタイプの画像センサの設計・製作及びその基礎特性の測定を行った. [1]レンズ,2つのエリアCCD,ハーフミラーからなる光学系を設計し,2つのエリアセンサの出力から入射位置と入射角度が求まるかどうか調べた.予備実験により,光学系の設計を適切にすれば,高精度測定が可能であることが分かった.射位置,入射角度とも相対誤差1%以内で測定可能であることがわかった [2]ついで,測定精度の向上,測定時間の短縮,種々の計測システムへの応用を可能とするための汎用性の拡大を目指して,CCDの信号処理にアナログ処理とFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いたアナログ・デジタル融合型信号処理系を構成した.そして,精密移動ステージにより,位置測定精度,位置検出精度の測定を行った.その結果,入射位置,入射角度とも相対誤差1%以内の結果が得られた. [3]次に,本画像センサを三角測量原理に基づくレンジファインダへ適用するために予備実験を行い,適用可能であることが明らかとなった.
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