研究概要 |
昨年度の研究成果および本年度の研究計画に基づき、以下の三項目について研究を行った。 (1)小型垂直レーダを用いた降雪雲から地上付近までの鉛直方向電磁波反射エコーの測定 本年度の富山工業高等専門学校校舎改修に伴い、レーダの設置場所について再検討を行った。そのため、2003年11月に小型垂直レーダ(Micro rain radar, METEK製)を電気株屋上に再設置した。11月中の降雨現象を観測し、ドップラーレーダの基本動作の確認、降水量測定を行った。2003年12月からは降雪現象の測定を行い、電磁波反射エコーと電子天秤法による降雪強度との関係を解析した。昨年度と同様に高度ごとのレーダ反射因子から降雪粒子が落下する現象を測定した。また、スペクトル分布をガンマ分布関数で近似し、二つのパラメータα、εにて降雪パターンの分類を行った。 (2)画像処理手法による落下中の降雪粒子の形状および雪質解析システムの開発 自然落下する降雪粒子を撮影するため、小型垂直レーダと同様に屋外に設置された観測塔内に落下する降雪粒子の映像観測を行った。校舎改修のため、システム全体の再構築を行った。降雪粒子の粒径と落下速度の関係から、降雪種(主に、あられと雪片)の分類が可能となった。 (3)小型垂直レーダを用いた降水強度測定 (1)と(2)の両測定システムについて2004年1月、2月に同期観測を行い、(2)の降雪粒子画像から得られた降雪種ごとに(1)の二つのパラメータが異なることが見出された。この結果、二つのパラメータのみを用いて、降雪種の判別が可能であり、レーダから降水の種類および降水強度を算出することが可能となった。
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