研究概要 |
本研究の目的は,内部永久磁石形同期電動機(IPMモータ)の位置センサレス駆動が可能な制御回路を,ワンチップでしかも全ディジタルで実現可能な制御チップを開発することである。開発する制御チップには,研究代表者の考案したIPMモータの突極性に基づくセンサレス位置推定法を組み込む。この制御チップにより,IPMモータの電力線をインバータに接続するだけで,位置制御系や速度制御系を構成することが可能になる。 平成14年度においては,以下の研究を行なった。 (1)現有の3.7kWのIPMモータを用いた位置センサレス駆動システムの主回路部分の設計製作を行ない,その動作を確認した。 (2)制御チップとして使用する20万ゲートのFPGAを装着した評価用基板と接続するインターフェース回路基板を設計製作し,動作確認を行なった。 (3)DSPコア,リプル電流検出用論理回路PWM信号発生回路をVHDLで記述しさらにFPGAにプログラムして,論理回路動作の確認ならびにインターフェース回路との組合せ試験を行なった。 (4)制御チップとして使用するFPGA内部の論理チェック,インターフェース回路の動作チェックを行なうために,FPGAに組み込むDSPコアで動作する試験用ソフトウェアの開発を行った。実際にセンサレス位置推定の演算をリアルタイムで実現する制御ソフトウェアの開発は,この試験用ソフトウェアへの推定演算プログラムの追加をベースとして進める予定である。
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