研究概要 |
まず前年度、新たに提案した繰返しコントローラは、前向き伝達関数を従来e^<-jωL>であったのに対してKe^<-jωL>とし、これにゲイン1/Kでポジティブなフィードバックをかけるという新たな枠組みを提案した。今年度、このコントローラの特性について検討した。すなわちこのコントローラの周波数伝達関数Ke^<-jωL>/(1-e^<-jωL>)はとなり、基本周期およびこの高調波を含む繰返し入力及び外乱にたいしてはゲインを無限大にできることはこれまでと同様である。しかしこのコントローラを持つ系の安定領域は複素平面上で実軸(0,1/K)を中心とし半径1/Kの円内と変化するため、Kを0近づけると、安定円は中心を無限遠点にもち、半径が無限大となるため、右半面全体を安定領域にできることが明らかなった。 つぎに前向きゲインを定数1/Kな変え、これにゲインKe^<-jωL>でポジティブなフィードバックをかけることにより周波数伝達関数(1/K)/(1-e^<-jωL>)をもつコントローラを実現する。これにより安定領域がさらに大幅に広げられ、複素平面のほぼ全域を安定領域にできることも明らかなった。
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