研究概要 |
本年度は双曲型偏微分方程式による期間構造モデルの構築に的を絞って研究を行なった。不規則に変動する要因として、制御理論でよく使用される無限次元のブラウン運動を採用し、金融工学で重要な概念である、無裁定条件(無から有が生じない条件)を適用するための条件は、提案された雑音の核関数形への制限として表現されるので、この条件を満足する関数の具体例を6月に以下の学会で発表した。 2^<nd> World congress, Bachelier Finance Society, Stochastic Hyperbolic dynamics for Infinite-dimensional Forward Rates and Option Pricing さらにこの期間構造モデルの拡張を試行した結果、ある種の放物型偏微分方程式でモデル化できる可能性があることが解明された。そこで非常に単純な場合を想定して、期間構造モデルを熱拡散モデルとして表現し、無裁定条件が適用できる場合の十分条件を導出した。さらにmean variance portfolioを構築する1手法を提案した。この結果の一部は、以下のコングレスで発表された。 2002 IFAC 15^<th> Triennial World Congress Stochastic Parabolic Model for Infinite-dimensional Forward Rate and Mean-variance Optimal Control.
|