研究概要 |
人体の各部にあるセンサーと脳とで構成される神経系は、刺激(入力)に対して行動(出力)するシステムである。脳の機能を現在の工学的生物学的知識と技術をもって記述し、または実現することは容易ではない。本研究で着目した弱電気魚は脊椎動物の視点から始原の生物であり、人間の脳システムの原点をなすと考えられ、有益な研究成果につながることが期待されている。 さらに、脳における情報処理のしくみを明らかにする上で、情報通信理論は重要で有効な手がかりとなることが期待されている。このため近年注目されているスペクトル拡散変調に関する研究とその無線適用についての研究を行い、Shannonの示した雑音下での通信容量の限界に基づき、具体的な通信方式において容量の増大を実現する方法を研究した。 研究成果は、Journal of Circuits, Systems, and Computersに2件の論文およびWSEAS press発行のAdvanced in communicationsに1件の論文として採録された。また、WSEAS(国際科学者協会)およびICSSSC(国際システムシミュレーション学会)にて学会発表を行った。 また本研究の基点となった方式研究、"Wideband CDMA System for Personal Radio Communications"(IEEE Communication Magazine,1996)が評価され、平成16年電気通信普及財団賞・テレコムシステム技術賞を授与された。
|