| 研究概要 |
(a)フロントガラスに対するアルカリ溶出試験でのアルカリ溶出挙動は,ビンガラスのそれとはかなり異なる.
(b)JISモルタルバー法では,多量のアルカリを含有するビンガラス骨材モルタルは非常に大きな膨張を示すが,フロントガラス骨材モルタルにおいてはほとんど膨張は発生しない.
(c)フロントガラスのアルカリ反応性はビンガラスのアルカリ反応性よりも低い.
(d)しかし,等価アルカリ量1.5%以上においては,フロントガラスモルタルも大きな膨張量を示す.
(e)廃棄ガラスモルタルにおいては,アルカリシリカゲルのほとんどは,ガラス骨材粒子内部に存在するひび割れ中に形成され,これらのアルカリシリカゲルが発生する吸水膨張圧がモルタル全体の膨張を引き起こす.極めて稀にガラス骨材粒子の外周に沿ってアルカリシリカゲルが存在することがある.後者のゲルのカルシウム含有率は前者のゲルのそれよりもはるかに高い.
(f)実際のモルタル中では,フロントガラス骨材からもかなり多量のアルカリが細孔溶液中に溶出している.
(g)焼成フリントモルタルにおいては,廃棄ガラス粉末は,ASR抑制効果がなく,逆に膨張を助長することが判明した.これは,ガラス粉末に含まれる多量のアルカリの溶出に起因することが証明された.
(h)20%程度のフライアッシュの添加によって,廃棄ガラス骨材モルタルのASR膨張を完全に抑制できる.
(i)リチウムガラス粉末のASR膨張抑制効果は顕著である.これは,ガラス粉末に含まれるリチウムとガラス粉末のポゾラン材料としてのASR膨張抑制作用に起因する.
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