本研究のPCグラウトの充填性能を改善するために検討を行った結果、本研究の範囲内で以下のことが明らかとなった。 PCグラウトの材料および配合の要因・水準を約180種類変化させた場合のグラウトの配合の変化とグラウトの要求性能との関係が明らかとなった。また、材料および配合の要因・水準を約180種類変化させたグラウトの回転粘度計を用いたレオロジー特性(粘度、降伏応力等)とフレッシュ性状との関係についての検討を行った結果、PCグラウトのレオロジー特性が明らかとなった。 この実験結果を基に、入力項目を配合要因・水準とし、出力項目をグラウトの要求性能およびレオロジー特性としたニューラルネットワークによる解析を行い、学習精度、要因分析等の検討した結果、ニューラルネットワークによる解析値は、実験値との比較において比較的高い精度を示し、この結果からPCグラウトの実験室レベルでの適正配合の選定の可能性が示された。 実構造物を想定したグラウト注入実験に関しては、ニューラルネットワークによる解析から得られた適正配合範囲の中から5種類以上の異なった配合を選定し、フレッシュ性能評価および細孔径分布等による硬化性状評価を行ったが、適正配合の選定の可能性が示された。 実際の建設現場等における管理システムの提案を行った。
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