研究概要 |
平成15年度の研究実績の概要は以下のとおり. 人・車両が通行する路面には,波長に応じて縦断勾配,ラフネス,テクスチャと呼ばれる凹凸が存在する.この凹凸が人の感じる歩き易さ,車の乗り心地,燃費,騒音といった問題に大きな影響を与えていると言われており,このすべり摩擦と路面の凹凸との関係については近年数々の研究がされており,マクロ及びマイクロテクスチャといった路面の超短波の凹凸が大きく影響していることが明らかになってきた. 本研究は,テクスチャの深さ,波長,振幅とすべり摩擦との関係を調べ,タイヤが路面をすべる際に路面のマクロ及びマイクロテクスチャといった超短波凹凸のどのような要因がすべり摩擦にどのように影響を及ぼしているかを明らかにしようとするものである. 平成15年度は,舗装表面のテクスチャとすべり摩擦の関係を調べるために,配合を大きく変えた供試体を作成し,その表面テクスチャに違いを持たせた.そのテクスチャを1・μピッチで測定し,ヒストグラム法,スペクトル解析,ウェーブレット解析を行い,深さや振幅,波長によるすべり摩擦への影響を調べた.また,画像・圧力解析によりタイヤゴムと骨材との接触状態を調べた結果,以下の結論を得た. (1)すべり摩擦は,テクスチャ深さが大きい程減少し,表面骨材とタイヤゴムの接触数が多い程増加する. (2)すべり摩擦は,マクロ及びマイクロテクスチャによって確保されるが,振幅の大きなマクロテクスチャ(波長0.5μμ以上)が含まれると低くなる. (3)マイクロテクスチャのうち,波長0.016μμ以下の波がよりすべり摩擦に影響を及ぼす. (4)圧力測定フィルムにより表面骨材とタイヤゴムとの接触状態を解析したところ,ある程度の関係が得られたが,解析方法に改善の必要がある.
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