研究概要 |
【平成14年度の研究実績の概要】 1.コンクリート製品を製作する工場の実態調査 コンクリート製品を製造している工場の協力を得て、製品を製造する際の材料・配合・養生方法などについて調査を行った。同工場におけるコンクリートを用いて,圧縮強度、引張強度、曲げ強度の基本的な強度を測定した。また、表層強度については現有の引抜き試験装置を用いて測定を行い,実験の基本的なデータを収集した。 2.コンクリートの凍結融解試験と塩化物浸入による表面剥離に関する実験 材齢の違いによるコンクリートについて、現有の凍結融解試験装置を用い、ASTM C-666 B法に準じて凍結融解試験を行った。現有の試験機器を用い、表層強度の変化、質量変化率、相対動弾性係数などからコンクリートの凍結融解抵抗性について明らかにした。表面剥離に関する実験は,12月から2月までの冬季間を利用して,降雪の中で曝露実験を行い,表面剥離について考察した。 3.コンクリート表層部の強化方法 コンクリート表層部の強化は透水性シートを用いた透水型枠工法によって行った。透水性シートを用いたコンクリートの表層部は余剰水が排出されて水セメント比が低下することにより,表層強度は1.5〜2.0倍程度に増加した。これらの結果を,コンクリート工場で製造される歩車道境界ブロックに適用するために,歩車道ブロック型枠に透水性シートを装着できる型枠の試作を行った。型枠の試作にはかなりの時間を要したため,試作型枠での実験は継続中である。表層部が強化されたコンクリート製品の耐久性に関する研究とコンクリート製品工場の生産ライン上の試作型枠を通じて,次年度予定されている耐凍害生の向上要因を見出す研究の体制は十分に整っている。また,凍結融解抵抗性に大きな影響を及ぼす空気量については,シート面から内部方向へ変化する空気泡を実体顕微鏡で測定している。 上記の研究成果の一部を既往の実験との関連でまとめ,研究論文として発表した。
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