本年度の研究実績は以下の通りである。 1.理論的研究:平成14年度までに、静的塑性理論の基礎式であるK tter式に場所的加速度分布を導入した動的塑性理論の基礎を構築し、実際の解析プログラムとして、K tter式の近似数値解法である一般化極限平衡法(GLEM)に場所的な加速度分布を導入したDGLEMを開発した。平成15年度は、擁壁や基礎の回転運動を取り扱うことを目的として、極限平衡法で得られる土圧や支持力に微分操作を行うことによって土圧分布や支持力分布を求め、回転の運動方程式を刻々解く解法を開発した。さらに、動的杭打ちなどの施工間題にも動的塑性理論を適用した。 2.実験的研究:地震時の擁壁や基礎の挙動に関して、並進運動とともに回転運動について調べるため、振動台上の模型を用いた実験を行い、解析結果とよく一致する実験結果を得た。また、動的杭打ちに関する基礎実験として、下部にスライダーを設けた模型杭に衝撃を加える実験を行い、理論値に近い実験結果を得た。
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