研究課題/領域番号 |
14550496
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
進士 正人 山口大学, 工学部, 助教授 (40335766)
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研究分担者 |
重田 佳幸 山口大学, 工学部, 助手 (00335770)
清水 則一 山口大学, 工学部, 教授 (70150357)
中川 浩二 山口大学, 工学部, 教授 (40026216)
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キーワード | トンネル / 現場計測 / 岩盤 / 写真測量 / 切羽安定評価 |
研究概要 |
トンネル切羽の安定度評価システムの根幹となる切羽の変位、変形を面的に計測する3次元写真測量の精度検証を実施した。写真測量とは、被写体を異なる位置から撮影し、複数枚の写真をコンピューター処理で立体視することにより写真上の3次元位置を算出する技術である。今回目指している評価システムでは、その写真測量を同一切羽で複数回実施することにより切羽の変形測定を試みるものである。 本年度は、まず、実験室の壁面の一部をトンネル切羽面と見立て、切羽の押し出し量を壁面に接着した3枚の面積の異なる厚さ1cm発泡スチロール板で表現した。すなわち、大きな板から順に3枚の板を重ねて接着し、それぞれの板を接着した段階ごとに写真測量を実施した。カメラは、600万画素の一眼レフデジタルカメラを用いた。写真測量結果は、どの変形段階でもほぼ1mm程度の誤差で変位が計測でき、与えた変位の1/10程度の精度は確保できることがわかった。 次に、現在施工中のトンネルにおいて、実際の切羽の写真測量を実施した。建設現場では、まず切羽面に評点を10点の評点を設置(最低7点以上)し、それぞれの点の3次元座標をトータルステションにより光波測量した。そして、同様の切羽面で4箇所から写真撮影し、あわせて写真測量を実施した。 その結果、以下の結果を得た。 (1)トンネルのような撮影場所に制限がある環境においても十分測量が可能であること (2)切羽の凹凸状況をコンピューターの画面上で把握すること可能であること。 (3)切羽面の地質構造を3次元座標で精度よく計測できること。 (4)これまでの現場技術者の技術に依存した切羽スケッチに変わる普遍的な切羽状態の表示方法としての適用も可能であること。 来年度は、実際の切羽面を複数回写真撮影し、切羽の変形が現実に計測できるかについて検証する。また、その精度についても明確にしていく予定である。
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