研究課題
地盤の変形や破壊を予測するために、サンプリングを行って土質試験を行う方法が一般的である。一方、動態観測として地盤内の応力や変位を測定する方法がある。申請者らは、地盤の比抵抗と力学特性について調べた結果から、土中の応力変化やひずみによって比抵抗が変化することから、動態観測に比抵抗測定を採用することによって、地盤の変形と破壊までの挙動をモニターできるかどうかについて検討した。粘性土を用いて盛土堤体を作成し、それに載荷して、破壊するまでの間、4本の釘を電極として比抵抗を測定した。その結果、次のことがわかった。1、載荷と同時に比抵抗は増大し始める。2、比抵抗増大のパターンは弾性変形、塑性変形、すべり変形によって、漸次その増え方が異なる。一方、地盤中で重金属の浸透をモニタリングするための現場手法の確立を目的に、理論的考察を行った。基本的に3本の電導コーンを用い、順次それらを移動させて貫入することによって、広域調査・モニタリングを行える技法を確立できた。ただし、現場における実証実験は行っていない。重金属イオンが地盤中を浸透すると、比抵抗が下がることはすでにわかっている。そこで、4種の重金属を混合して浸透させた場合について比抵抗変化を調べた。その結果、濃度に比例して比抵抗が減少することがわかった。一方、重金属が土粒子に吸着され、溶媒の比抵抗が間隙水のそれと大きく異なる場合には、その影響が比抵抗に現れることが判明した。たとえば、比抵抗が極めて大きい蒸留水で薄い重金属溶液を作製し、それを土中に浸透させるとすべてのイオンが土粒子に吸着されるので、蒸留水のみが前方に浸透し、その比抵抗が測定されることになる。逆に言えば、このような現象でさえ、比抵抗測定によって確証できた。
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第40回地盤工学研究発表会、平成16年度発表講演集 (印刷中)
Proceedings of the International Symposium on Engineering Practice and Performance of Soft Deposits
ページ: 385-390
第39回地盤工学研究発表会、平成16年度発表講演集
ページ: 2199-2200
Integrated Management of groundwater and contaminated land
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基礎工 32-7
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