• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

表層軟弱地盤の震動増幅特性の解明とその防振対策法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14550501
研究機関立命館大学

研究代表者

早川 清  立命館大学, 理工学部, 教授 (80066737)

研究分担者 鍋島 康之  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40263214)
太井子 宏和  (株)キンキ土質センター, 技術開発部, 部長代理(研究職)
庄司 正弘  (株)構造計画研究所, 技術営業部, 部長
キーワード地盤振動 / 軟弱地盤 / 伝播・増幅 / 数値シミュレーション / 防振対策 / 発泡スチロール / 鋼管列 / PC壁体
研究概要

本研究では,表層軟弱地盤の振動増幅特性について,振動の発生から伝播・増幅メカニズムについて解明するとともに,防振対策について検討を行った。今年度得られた研究成果を以下に述べる。
表層が河川氾濫源の軟弱地盤で構成されている箇所で,道路交通振動調査が行われている。この結果を吟味し,表層地盤の卓越振動数(4Hz付近)と沿線家屋の共振現象を解明した。また、別の調査事例では,鋼構造の橋脚より発生された地盤振動が約100mも遠距離伝播し,特殊構造にある家屋と共振して振動増幅される現象を確認した。一方、平面道路における道路交通振動調査では,路面凹凸状況に関し、積載振動計を用いた簡易手法で評価する方法の妥当性を検証した。
これらの振動伝播・増幅メカニズムをさらに詳細に検討するため,既存の地盤調査資料から軟弱地盤(沖積粘性土,N値2-4,S波速度100m)が5m程度以上分布する箇所を選定し,地盤調査を実施した。調査内容は,標準観入試験併用のボーリング調査,速度検層である。今後,当科学研究経費で購入した孔内地震計に既存の振動計を加え、詳細な現地調査を予定している。
また,防振対策に関しては,(1)中空部を有するPC壁体を用いた中規模現場実験,(2)EPS(発泡スチロール)模擬地盤を用いた室内試験および(1)の研究成果の数値シュミレーションを行った。
中規模現場実験では、重鍾を自由落下させる衝撃加振法を用いた。加振位置を壁体付近とする方法(能動的遮断法と言う)および壁体から離れた位置とする方法(受動的遮断法と言う)について検討した。壁体施工中の空溝でも同様の実験を行い比較検討した結果,PC壁体により空溝と同程度の振動遮断効果(約10dB)が認められた。この結果を検証するために,防振対策を施していない自然地盤状態での観測記録を用いて三次元シュミレーション解析を実施した。実測結果と解析結果は非常に良く対応しており,解析手法および解析モデルの妥当性を確認した。
別の室内試験では,地盤の振動伝播特性を調べるとともに,防振対策として鋼管列による振動低減効果について検討した。EPSは工業製品であるため均質であり,実験の再現性がよく,安定した試験データが収集できた。この結果を基にEPS模擬地盤の振動の伝播・減衰挙動ならびに鋼管列の振動低減効果について明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 早川 清, 橋本佳奈, 可児幸彦: "PC壁体の振動対策事例および遮断メカニズムに関する実験的研究"地盤工学会 第47回地盤工学シンポジウム論文集. 349-356 (2002)

  • [文献書誌] 早川 清, 門田浩一他: "道路交通振動対策及び対策効果の評価事例"地盤工学会第 47回地盤工学シンポジウム論文集. 343-348 (2002)

  • [文献書誌] 早川 清, 星子直樹他: "中空部を有するPC壁体による振動遮断実験"平成14年度土木学会年次学術講演会講演概要集. 1132-1133 (2002)

  • [文献書誌] 橋本佳奈, 早川 清他: "中空壁体および空溝による振動遮断実験"第37回地盤工学研究発表会講演論文集. 1914-1915 (2002)

  • [文献書誌] 原 文人, 早川 清: "地中防振壁による列車振動対策に関するシュミレーション解析(その 2:地中防振壁の構造形式の違いによる効果に関する検討)"第36回地盤工学研究発表会講演論文集. 1908-1909 (2002)

  • [文献書誌] 庄司正弘: "交通振動による地盤振動の波動伝播特性に関する研究-3方向加振の影響に関する3次元解析-"第37回地盤工学研究発表会講演論文集. 1898-1899 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi