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2003 年度 実績報告書

汚染土壌の凍結融解を利用した洗浄技術に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14550502
研究機関摂南大学

研究代表者

伊藤 譲  摂南大学, 工学部・都市環境システム工学科, 助教授 (30281752)

研究分担者 嘉門 雅史  京都大学, 大学院・地球環境学堂, 教授 (40026331)
キーワード土壌汚染 / 凍結融解 / 透水係数 / 塩分移動 / 凍上
研究概要

本研究の目的は土壌の凍結融解による浄化修復技術の適用範囲を明らかにすることであり、冷却条件、土壌の種類等による水溶性汚染物質の移動量、移動方向について検討を行うことである。研究1年目は、凍上性を示す粘性土試料を対象とし、凍結融解における給水の有無、冷却速度、温度勾配、荷重の影響について検討した。その結果、一連の実験結果より、凍結融解による洗浄効果は、冷却速度が遅く、温度勾配が大きく、荷重が小さい等の凍上量が大きくなる条件で顕著な結果が得られた。
研究2年目(平成15年度)は、融解後に粘性土の透水係数が増加することに着目した通水洗浄について検討した。特に融解時の通水の有無による洗浄効果、粘性土の種類と荷重の違いによる透水係数の変化の2点に着目した実験を行った。その主な結果は次の通りである。
まず、1次元凍結融解実験の結果より、通水を行わない場合と比較して、融解開始と同時に通水を行うと、給水側から供試体の内部へと洗浄領域が広がることが示された。
次に、凍結融解後の透水係数について、凍結融解実験が行われた。凍結融解後の透水係数は、融解直後が最大となり、その後少しずつ低下するケースと一定状態を維持するケースが見られた。この一連の実験より、凍結融解による透水係数の増加は、荷重との関係では100kPaまでの範囲で確認された。また、土質によっても大きな差があり、藤森粘土では約十倍程度、関東ロームでは数百倍まで透水係数が増加した。後者の場合には、未凍結の透水係数が10^<-6>〜10^<-7>cm/sと粘性土と同等でありながら、凍結融解後には10^<-3>〜10^<-4>cm/sと砂質土の値にまで増加している。さらに、実験データより、間隙比に注目して整理してみると、同じ間隙比でも凍結融解の前後では、透水係数が異なり、凍結融解により間隙構造自体が変化していることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 伊藤譲, 嘉門雅史, 鳩裕幸: "凍結融解現象を利用した地盤洗浄の可能性"材料. 51巻・1号. 42-45 (2002)

  • [文献書誌] Ito, Y., Kamon, M., Hato, H.: "Remediation of Contaminated Grounds by Soil's Ice Segregation Phenomena"Proc., Fourth International Congress on Environmental Geotechnics. 859-863 (2002)

  • [文献書誌] 土谷富士夫, 伊藤譲, 了戒公利: "土の凍結と地盤工学 7.寒さ利用による地盤凍結"土と基礎. Vol.51,No.9. 39-45 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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