研究課題/領域番号 |
14550503
|
研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
柴田 徹 福山大学, 工学部, 教授 (20027212)
|
研究分担者 |
清水 正喜 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00115859)
西原 晃 福山大学, 工学部, 教授 (90164574)
|
キーワード | 粘土 / 地盤変形 / 圧密 / クリープ / 温度効果 / ひずみ速度 / 時間 / 二次圧圧縮 |
研究概要 |
本年度の成果は粘土の圧密挙動を対象にして、応力-ひずみ関係と、加熱による圧縮量とに大別できる。 1.応力-ひずみ関係:-大阪湾の海底粘土(洪積層)を対象にした各種圧密実験の結果が多数報告されてきた。それらの中から一次元圧密に関するデータを選び、特にひずみ速度εに注目して考察を加えた。 (1)有効励一定のクリープおよびCRS試験の結果より、有効応力ρ-εひずみε-ひずみ速度εの間にユニークな関係があり、f(ρ、ε、ε)=0が成立する。つまり圧密挙動の軌跡はρ-ε-ε曲面上を動く。 (2)分割型圧密試験において、分割各要素の層厚が異なる場合にも、上記(1)の結論の妥当性が検証された。 (3)原位置で測定された粘土層別沈下澗隙水圧の記録と、室内CRS試験結果とを対比することにより、原地盤のP-ε曲線が持つ意味は、εの大小を考慮すれば解釈できることを示した。 2.加熱による圧縮量:-粘土の温度範囲を20〜60℃に変えて、加熱による圧縮量の変化特性を調べた。 (1)正規圧密状態のカオリン粘土の二次圧縮速度は、60℃と20℃の場合を比較すると約1.5倍となる。そして[20℃のもとで1万年間]に生じる二次圧縮量は、[50℃のもとで5日間]の発生量と等価である。 (2)カオリンとベントナイト土粒子の熱膨張率を測定し、さらにX線回折の結果と合わせて、粘土鉱物と熱膨張率の関係について考察した。具体的には、ベントナイトの熱膨張率はカオリンの約7倍であった。
|