研究課題/領域番号 |
14550505
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研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
岡林 巧 鹿児島工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (40044630)
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研究分担者 |
南金山 裕弘 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (40222179)
大竹 孝明 鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (80128339)
内谷 保 鹿児島工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (70038107)
荒牧 憲隆 崇城大学, 工学部, 講師 (00299661)
杉尾 哲 宮崎大学, 工学部, 教授 (70069524)
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キーワード | しらす / 降雨 / 原位置 / シリンダ / 不飽和 / 浸透 / 斜面 / 南九州 |
研究概要 |
本研究は、ここ20数年間集積してきた降雨によるしらす斜面災害発生箇所の現地踏査の成果に基づき考究することに加え、平成9年3月と5月に勃発した鹿児島県北西部地震時の計測成果を加味してしらす地盤に対し、現有の降雨浸透装置を用いて室内および原位置(現場)で土質・浸透試験を実施した。本研究の目的は、現在日本国内で圧倒的にデータが不足している『しらす斜面の地震崩壊に及ぼす原位置における雨水の不飽和浸透特性に関する研究』を実施し、しらす斜面の地震災害の防災に役立てようとするものである。 降雨下における不飽和斜面の安定解析は、原位置の不飽和浸透特性さえ厳密に入力できれば既成の斜面安定解析ソフトを利用することにより可能である。本研究の先駆的点は、多くの研究が室内試験にとどまっているのに対し、原位置でのしらす地盤の不飽和浸透特性を用いた地震時不飽和斜面の安定解析ができるところにある。このようなバックグラウンドを担った『しらす斜面の地震時崩壊に及ぼす原位置における雨水の不飽和浸透特性に関する研究』に関した本研究は、かなり大きな継続すべき研究テーマであり、今後に残された諸問題も多い。得られた本研究テーマに関する主な結論を以下に述べる。 原位置に打ち込んだシリンダからの浸透流量の時間的変化を測定して、その流れの場の飽和・不飽和浸透流について数値解析を行い、浸透流量の算定結果が実測結果と一致する様に不飽和浸透特性を決定する非定常浸透量試験法は、試験装置も大規模ではなく電力の供給も必要とせず、測定方法そのものが熟練を必要としない簡易な試験法であり、しかも比較的短時間の同定解析ですむ極めて有効な方法であることが明らかになった。
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