研究課題/領域番号 |
14550517
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研究機関 | 八戸工業高等専門学校 |
研究代表者 |
藤原 広和 八戸工業高等専門学校, 建設環境工学科, 助教授 (70199389)
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研究分担者 |
杉田 尚男 八戸工業高等専門学校, 建設環境工学科, 助教授 (10280322)
矢口 淳一 八戸工業高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (80342450)
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キーワード | 汽水湖 / 複断面水路 / 塩分 / ヤマトシジミ / ニューラルネットワーク / 密度流 / 水温 / 水平混合 |
研究概要 |
(1)現地観測について 前年度まで実施している小川原湖の水質観測は検証データ蓄積のため12月まで、小川原湖湖心部を中心に1〜2ケ月に1回程度実施した。これにより、近年ゆるやかではあるが富栄養化が進行していることがわかった。湖内の塩分総量は1998年度と比較して約2倍の量が蓄積されており、ヤマトシジミの発生における環境はよくなっていることがわかった。しかし、ヤマトシジミの現存量調査によると2004年8月の現存量は2002年8月の半分と推定され、危機的状況にあることがわかった。ヤマトシジミの浮遊幼生(発生し稚貝として湖沼に着底する前の状態)は数多くみられ、3〜4年後に成貝として市場に出荷されるときには現存量増加が期待される。 (2)複断面水路密度流の混合係数について 昨年度まで行った複断面水路密度流の混合係数の検討結果により、混合係数を無次元化し、複断面水路のパラメータおよび密度流のパラメータを使って混合係数をある程度表現できるようになった。さらに水路に狭窄部が存在するモデルや現地についても混合係数の検討を行った。その結果、同じパラメータで混合係数を表すことができ、それらの関係は、狭窄部の有無に関わらず、ある曲線に実験および現地の混合係数が対応することがわかり、狭窄部よりも複断面の効果が卓越することがわかった。 (3)塩分侵入量計算モデルについて 小川原湖への塩分侵入計算モデルは、昨年度までに河口水位と小川原湖水位のみを用いて重回帰分析およびニューラルネットワークによる検討を行った。今年度、検討を進めた結果、どちらも冬季の塩分流出入量はうまく捉えることが可能であるが、重回帰では塩分侵入の非線形性を表現できていないときがあり、ニューラルネットワークは学習データの抽出方法により現地データとの相関が低くなることがわかった。
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