研究課題/領域番号 |
14550527
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
本多 義明 福井大学, 工学部・副学長, 教授 (40023197)
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研究分担者 |
寺内 義典 国士舘大学, 工学部, 専任講師 (00338295)
川本 義海 福井大学, 助手 (20334807)
野島 慎二 福井大学, 助教授 (70303360)
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キーワード | 交通安全 / 横断歩行環境 / 降積雪 / 交差点 / 高齢者 |
研究概要 |
「3.横断に関する歩行者の意識と実態」では、降積雪時と無雪時の交差点において横断歩行者と左折車をビデオ撮影した。この撮影結果より平面横断歩行者を対象とした分析を行い、以下の成果を得た。 (1)歩行者動線調査 降積雪時と無雪時の横断歩道上の歩行者動線をトレースした。これより積雪による歩行経路が路肩部分の堆雪や中央分離帯付近の積雪を迂回するように変化する様子が観察された。この迂回は歩行距離を伸ばし円滑な横断を阻害している。また動線が交差点中心に寄る部分もあり、無雪時に比べ左折車に近接する。 (2)歩行特性調査 道路区間を「路肩部分」2区間、「通常路面」2区間、「軌道部分」、「中央分離帯部分」に分割し、それぞれの歩行速度を計測した。降積雪時と無雪時と200人程度のサンプルを得た。特に路肩部分での歩行速度の低下が顕著であり、ビデオ画像からも歩行の困難さがみてとれた。 (3)左折車の速度特性 降積雪の有無での平均速度の差はみられなかったがその分布は大きく異なっており、降積雪時で分散が小さくなる傾向が見られた。 (4)横断歩行者と左折車の関係 横断歩行者と左折車との距離を計測したところ、降積雪時でその距離が短くなる傾向が見られた。路上の堆雪によって動線が交差点中心側へ寄ることに起因している。さらに横断歩行者との距離と左折車の速度の関係を降積雪の有無で比較した。その結果、無雪時では歩行者との距離が近い状況において、5.5m/s以上の速度の高い左折車や一旦停止をせずに歩行者を回避しようと徐行する左折車が無雪時ではほとんどみられなかった。降積雪時では、歩行者回避において左折車がとる安全補償であると考えられる。 これらの成果と前年度の成果をふまえ、「4.降積雪時の交差点横断環境の問題把握」と「5.雪対策も含めた歩行環境整備方策の提言」をまとめている。
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