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2002 年度 実績報告書

主観的価値に基づく超低床式路面電車の導入事業の評価手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14550530
研究機関広島大学

研究代表者

藤原 章正  広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (50181409)

研究分担者 岡村 敏之  広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (90314781)
杉惠 頼寧  広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70034410)
キーワードLRT / CVM / ファジィ理論 / 主観的価値 / 回答バイアス / 事業評価
研究概要

本研究は,超低床式車両を用いた路面電車(以下,低床式LRT)を対象として,主観的価値に基づく交通事業評価手法を確立することを目的とする.客観的価値の評価法に比べて評価指標の信頼性に疑問があるとされる主観的価値の計測法の改良を試みる.
初年度は,まず「CVMによる環境質の経済評価:非市場財の価値計測」をレビューし基礎理論と問題点を明らかにした.またオランダのアインホーヘン理工大学のH. Timmermans教授を訪問し研究レビューを受けた.さらに,1999年に研究グループで実施した広島市低床式LRTの導入に対するWTP調査データを用いて,主観的価値データに含まれる問題点とその対応方法について検討した.その結果,CVMの回答者が表明する支払意思額に含まれる曖昧性には以下の4つのタイプがあることが明らかになった.
(1)回答者が非市揚財の重要性を明確に認識できないために生じる曖昧性
(2)回答者が過去に市場で取り扱ったことがないものを貨幣価値に変換する際に生じる曖昧性
(3)回答者が事業内容を十分に認識していないために発生する曖昧性
(4)回答者が認識した価値を支払意思額として表明する際に発生する曖昧性
これらの曖昧性への対処法として,ファジィ理論に基づく調査分析方法(ファジィCVM)を提案し,その有効性について道路整備本業のアンケートデータを用いて検討した.その結果,ファジィCVMにより,支払意思額を決定する際の回答者の思考過程やどのような項目を重視して支払意思額を決定しているかを表現し,また回答者の支払意思額に対して幅を持った評価を行うことができることがわかった.更には,賛成と反対との持つ価値の違いを表現することが可能となることも判明した.
次年度は,回答に含まれるバイアスの修正方法を開発し,ファジィCVMと比較して,信頼性の高い低床式LRTの主観的価値を定量化する方法について検討する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] B.Lee, A.Fujiwara 他: "Route Choice Behaviour Model Considering Randomness and Vagueness Uncertainty"Proc. of 13th Mini-EURO Conference. (CD-ROM). (2002)

  • [文献書誌] 岡村敏之, 藤原章正他: "共通プリペイドカードによる都市圏内公共交通乗車記録の特性分析"土木計画学研究・論文集. 19(1). 29-36 (2002)

  • [文献書誌] 張峻屹, 杉恵頼寧, 藤原章正他: "相対性効用の概念に基づく交通機関SPパネルデータの分析"土木計画学研究・論文集. 19(3). 365-374 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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