研究概要 |
琵琶湖のように重要な水源では、各種調査機関が多様な調査を実施されているが、各調査では、頻度・地点・採水深度・測定項目等が異なるため、多くの調査を統合的に扱うことは困難であり、その結果、それらデータを有機的に活用するデータベースは現時点では構築されていない。本研究の目的は、このような多様な調査結果を統合的に活用するデータベースシステムの開発であり、琵琶湖を対象流域として研究を展開した。 まず、琵琶湖に関連して実施されている調査データの収集を行った。そして、24の調査データを得ると共に、その調査方法について比較検討した。その結果、各調査で方法が大いに異なり、地点数だは1〜50箇所、調査水深数では1〜12水深、年間では頻度では1〜365回、水質項目数は8〜100以上と極めて多様なパターンとなっていることを明らかにした。地点・水深では共通するものを整理することにより、現時点で異なる採水箇所として86地点、44水深を同定した。 各調査でパターンが異なり単純な表形式では全データを集計できないことが示されたので、Table群を組み合わせたリレーショナルデータベース(Access2000)でシステムを構築した。本システムは、試料コード、水質指標コード、数値(濃度)を1レコードとして保持するメインの表「TbData」と、その試料属性および水質指標属性を説明する「TbSample」,「TbWQIndex」の2つのサブメイン表およびこれらサブメイン表を説明する7つの補助表よりなるシステムである。 本データベースには、試料数として約5万、水質データとして67万件ほどのレコードを取り込んだ。Query, Form, Report等のAccessの付帯機能を利用して、この蓄積したデータを活用する手段を提案するとともに、Access未習者でも利用可能なプログラムをVBA(ビジュアルベイシックアップリケーション)を利用して作成した。
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