研究課題
基盤研究(C)
オゾン処理は通常の浄水処理では除去することが出来ない溶解性物質の酸化分解を目的として浄水処理に導入されてきた。特にわが国では、かび臭原因物質の除去やトリハロメタン対策としてオゾン処理が導入される例が多いため、原水汚染の進行した大都市の浄水場に導入例が目立つ。しかし、オゾンは極めて強い酸化力を持つとはいえ、その酸化力に限界があることも事実である。そこで、より強力な酸化力が期待できる促進酸化処理の利用が期待されているが、この実用化には、副生成物問題、プロセス制御等に検討課題が残っており、それらの問題解決が重要である。本研究は、オゾン処理に過酸化水素処理を併用する促進酸化処理の浄水処理への実用化を目標としている。モデルの開発は、オゾン処理のモデルとして開発した拡張SBHモデルをベースとし、それを促進酸化処理に発展させ、促進酸化処理での反応をモデルで再現する。その上で最適な処理条件を検討するとともに処理の制御に応用することを行った。そのため本研究では、臭素酸イオンの生成を中心に影響因子の検討を行ったほか、バッチモデルから実際の処理施設を想定した連続シュミレーションモデルへ発展させ、モデルのシステム制御への利用の可能性について検討を行った。その結果、純水中ではあるが実用可能なモデルの開発が得られた。今後はさらに実際の水道原水への適用性について検討を加えたい。
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