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地理情報システム(GIS)とCAD/CGからなる統合化空間情報システムを用いた研究活動により淀川下流域の衛星都市を対象に緑被地の現況を把握するとともに、時系列に緑被地の変遷を把握して緑環境のデータベース化を進め、自治体が掲げている計画目標との比較検証を行っている。さらに、各自治体の「緑の基本計画」を3次元空間に展開・表現する手法についても開発を進めている。
今年度は研究計画の初年度として、大阪府豊中市を対象地域にリモートセンシング(RS)データのLANDSAT/TMデータを用いて画像の幾何学的な歪みを補正し、既存のGISデータ上に定位した。さらに、バンド間演算からNDVI(正規化植生指標)やUI(都市化指標)を算出し、植物活性度や都市化度の分布性状を把握した。このRSデータ解析では、最終的にNDVIから得られる緑被率と、航空写真の目視判読と現地調査によって得られる緑被率とを比較し、都市内緑被地の現況把握におけるRSデータの有用性を確認した。
またGISによる分析では、時系列解析、オーバーレイ、空間統計分析などを行い、広範な角度から詳細に都市内の緑被地構造を定量的に把握・評価した。とくに空間統計分析では、空間的自己相関分析の一つであるJOIN統計量分析を行い、緑被率のみでは把握できない緑被地の形態を定量化することで、質的側面から緑被地を評価するうえでの新たな指標を得た。
さらに大阪府枚方市を対象地域として、上記の豊中市における場合と同様のRSデータ解析を進めるとともに、「枚方市・緑の基本計画」の緑化重点地区において、CAD/CGを加えた統合化空間情報システムにより、街路樹をはじめとする緑環境を3次元空間に展開・表現する手法の開発にも着手している。
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