研究概要 |
平成14年度は、聴覚的要因として代表的な建具,家具,食器などのがたつき音の影響を含む床振動の評価指標を究明する。 (1)種々の実在建築物で、人間の動作時に発生する床振動や、建具,食器などのがたつき音の実体を測定,調査し、がたつき音の性状および発生機構や、床振動の振動数,振幅,減衰とがたつき音の関係などを検討した。 (2)(1)の結果を参考に、実在建築物で発生する多様な床振動およびがたつき音を具現できる、実験装置を製作した。 (3)(2)で製作した実験装置と、延べ60名程度の被験者を用い、様々な条件で、歩行など人間の動作時に発生する試料床の振動およびがたつき音の感覚上の大きさや、評価に関する官能検査を実施し、心理学的尺度を構成した。 (4)研究代表者らがこれまでに研究開発した、人間の動作時に発生する床振動を再現できる床振動測定装置を用いて、(3)で官能検査に用いた試料床の振動を測定し、官能検査時と同一の条件で、被験者の動作時に発生するがたつき音を測定した。 (5)(3)で構成した心理学的尺度と、(4)で測定した床振動,がたつき音の関係を種々検討し、床振動,がたつき音の感覚上の大きさを表示する物理量を設定した。また、物理量と床振動,がたつき音の評価との関係から、がたつき音の影響を含む床振動の評価指標を提示した。
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