1.はじめに 本概要は3年計画の研究の1年目の成果の報告である。実験が終了したばかりであり、十分な考察はなされておらず、また、論文投稿の準備をしている段階で、研究発表はない。 2.試験体 試験体は10体作成した。しずれも180mm×180mm×1200mmの長方形であるが、基礎治具で挟み込まれている端部を基礎部分と考えるため、実際の試験高さの範囲は360mmである(シアスパン比2.0)。試験体の主筋比、帯筋比、帯筋間隔(s=70mm)は一定とし、実験パラメータは配筋詳細の相違と加力方法であ。配節詳細については、試験体Pシリーズは悪い配筋例として90°フック付とし、試験体、Hシリーズは通常の配筋例として135°フック付とする。なおこのフック部分は同じ偶角部に連続して配筋されないように90°ずつローテーションして配置した。加力方法は次に述べる。 3.加力装置 本研究は加力装置に特徴がある。すなわち、基礎治具を加力装置の基礎部及びL型フレームに固定し、試験体は端部を基礎治具で挟み込むように設置する。L型フレームについている軸力及び、横力ジャッキによりL型フレームを加力する。加力方法は試験体P-0、H-0は単純軸圧縮、また、P-1及びH-1はひび割れを両方向に入れるために、軸力を150kNの一定軸力を加え、1/l00、1/50radの部材角をそれぞれ2回づつ繰り返す。ひび割れ発生後、一定変形までの加力は軸力0とし、その後水平変位を一定に保ちながら軸力を漸増載荷していく。 4.実験経過と今後の予定 現在10体中6体の加力が終了した。後の4体は通常の曲げせん断加力を行う予定であり、すでに行った6体の軸方向加力実験結果との関係を考察する予定である。
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