研究課題/領域番号 |
14550566
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
倉本 洋 豊橋技術科学大学, 工学教育国際協力研究センター, 助教授 (20234544)
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研究分担者 |
前田 匡樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30262413)
中治 弘行 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (80314095)
角 徹三 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40026092)
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キーワード | 鉄骨コンクリート柱 / 繊維補強コンクリート / 構造性能 / 調合実験 / 構造実験 |
研究概要 |
本研究課題は、21世紀における健全なストック型杜会を形成するための「安全で高品質・低コストな長期耐用型建築物」の建設に適した新しい構造システムの開発を念頭に置いたものである。具体的には、鉄骨とコンクリートのみから構成される鉄骨コンクリート(Concrete Encased Steel:以下、CES)構造システムの開発を念頭に置いて、その第一段階として、CES柱の構造性能の把握、応力伝達メカニズムの解明並びに構造性能評価法の検討を目的とした。本年度は、1)CES構造に適した繊維補強コンクリートの製造方法の検討、および2)CES柱の構造性能及び応力伝達メカニズムの把握のための構造実験を実施した。以下に、本年度の研究成果を要約する。 繊維補強コンクリートの製造方法の検討では、繊維径0.66mmで繊維長30mmのビニロンファイバー(以下、RF4000と呼称)、繊維径0.40mmで繊維長24mmビニロンファイバー(以下、RF1500と呼称)、およびドッグボーンタイプで換算径φ0.6mmおよび繊維長35mmのステンレスファイバー(以下、F430Dと呼称)を用いた調合試験を実施し、引張靱性能と施工性の優位性について検討した。調合実験より、RF1500、RF4000およびF430Dに対してそれぞれ1.0%、2.0%および2.0%の体積混入率が施工性の限界であること、体積混入率を2.0%としたRF4000およびF430Dが靭性に富み、CES構造により適した繊維補強コンクリートであることを確認した。 CES柱の構造実験では、体積混入率で1.0%のRF4000を用いた試験体、2.0%のRF4000を用いた試験体および2.0%のF430Dを用いた試験体の3体の曲げせん断実験を実施した。その結果、SRC構造と同程度の優れた耐方・履歴性状が得られた。ひび割れや圧壊などの損傷は大変形時まで小さなレベルに押さえられ、修復性にも優れていることが確認された。なお、本実験に用いた繊維補強コンクリートは実機によって製造されたものであり、構造性能のみならず施工性に関しでも実用的に問題のないことも併せて確認された。
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