研究課題/領域番号 |
14550567
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河野 進 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30283493)
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研究分担者 |
塩原 等 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50272365)
諸岡 繁洋 京都大学, 防災研究所, 助手 (80273522)
田中 仁史 京都大学, 防災研究所, 教授 (20132623)
倉本 洋 豊橋技術科学大学, 工学教育国際協力研究センター, 助教授 (20234544)
角 徹三 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40026092)
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キーワード | RC構造 / 耐震壁 / 基礎梁 / 杭 / 連成挙動 |
研究概要 |
現場打ちモデル試験体2体を作製し実験を行った。試験体は、中高層アパートの張間方向耐震壁構造体から、杭基礎・耐震壁・1階梁・スラブを含む構成要素を取り出したモデル試験体とした。従来とことなり、杭基礎の一部までの下部構造をモデル試験体に含めることにより、杭頭モーメントや基礎梁・基礎スラブにおける変形の影響を実際に近い形でモデル化出来たと考えられる。 杭は実験中に曲げ降伏しないように設計し、杭上部に入力するせん断力が靭性杭を用いた構造物における入力せん断力よりも過大となり、実際に基礎梁及び耐力壁が経験すると考えられる以上の範囲において外力抵抗機構の作用を実験的に確認した。2本の杭のピン及びローラー挿入位置は、モーメント反曲点とし、実際の構造物に作用する水平力及び鉛直荷重と等価な外力を1階梁端部に作用させた。梁中央点の水平方向変位を漸増させながら正負繰返し載荷を行い、耐力壁の曲げ降伏をもって載荷を終了した。載荷履歴中の測定項目は、試験体の変形及び作用荷重の他に、スラブ主筋・基礎梁軸筋・壁縦筋・スラブコンクリート・基礎梁コンクリートの歪である。 実験の結果、基礎梁には予想以上のせん断ひび割れと変形が生じた。基礎梁主筋の歪を見ると、基礎梁の設計時には、杭の曲げ戻しモーメント及び上部に作用する水平力の半分を軸方向力として考慮する必要があることが判明した。また、基礎スラブ筋は終局時にほぼ全部が降伏し、基礎梁軸方向抵抗力への寄与は大きいと考えられるが、基礎梁の設計時には参入しないほうが現時点では安全である。
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