研究課題/領域番号 |
14550581
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
松井 勇 日本大学, 生産工学部, 教授 (00059982)
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研究分担者 |
永井 香織 大成建設(株), 技術研究所, 研究員
湯浅 昇 日本大学, 生産工学部, 講師 (00230607)
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キーワード | レーザ / 落書き / コンクリート / スプレー塗料 / 除去 / YAGレーザ |
研究概要 |
スプレー塗料によって打放しコンクリート表面に描かれた落書きをコンクリート表面を傷めずに、かつ周辺を汚さないで除去するのは難しい。そこで、YAGレーザを用いて(比較のため半導体を使用)、w/c50%、60%のコンクリート表面に水性スプレー塗料(黒、赤、青色)で落書きをし、この落書きを除去するのに必要なレーザ照射条件について検討した。また、我が国で初めて落書きに対する処置を含めた県条例を公布した岡山県において、落書きについてのヒヤリングおよび実態調査を行った。その結果、YAGレーザは、照射エネルギー0.4〜1.07(J/cm)の範囲で、照射を3回行った場合、黒色は色差5〜10まで落ちるが、赤および青色は色差10〜15と落ちにくいことが判明した。そこで比較のために用いた半導体レーザは、照射エネルギー18〜36.8(J/cm)の範囲で、3回照射した場合、黒、赤、青色いずれも色差5〜10程度まで落とすことが可能である。しかしコンクリート表面にはレーザ照射によってひび割れ、損耗が生じた。YAGレーザの照射エネルギーを更に大きくすることによっていずれの色も除去できる可能性を見い出した。 岡山県におけるヒヤリングと実態調査の結果、県条例は2002年4月1日に施行し、壁の落書きを除去するボランティア「落書き調査隊」が結成され、落書きマップの作成、落書き除去活動を活発に行っている。落書き除去に当たって、コンクリートブロツク、モルタル仕上げに描かれた落書きは除去できないので、落書きの上から再塗装しているのが現状である。岡山市内において、落書きを調査した結果、コンクリート面の落書きに対して、落書きの上から再塗装しているが、既存の壁の色とかなり異なった色で塗装されており、景観上問題があることが分かった。
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