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建築材料を2枚圧着して作成した二層壁体実験モデルの試料を用いて、結露・再蒸発過程における内部含水率の変動の実験測定を行った。また計算モデルを提案し実験結果に対して数値解析を行い、内部の熱水分移動に対する圧着境界面の影響を明らかにするとともに、境界面での熱・水分流移動に対する抵抗値を同定した。
異種または同種材料から成る二層壁体実験モデルの試料を数種用意し、片面断湿系とし、結露・再蒸発過程における平均含水率および含水率分布の変化状況を実験により把握した。結露過程初期の平均含水率上昇勾配において境界面の影響が大きく現れた。また含水率分布はそれぞれの層内では分布差が少ないものの、層間で大きな含水率差が生ずる二極分化の傾向があることなどが把握された。また、同種の組み合わせよりも異種の組み合わせの方が境界面の影響が大きく、構成材料の物性値により大きく影響が現れる。
さらにこの実験結果に対して、境界面における熱.水分移動に対する仮想的な抵抗を考慮した2種類の水分移動計算モデルを提案し数値解析を行った。熱・水分流の連続性を考慮したモデルによる平均含水率の計算結果は実験結果と合致しているが、含水率分布に関しては実験結果のような二極化分布が得られなかった。熱・水分流に対する抵抗を考慮したモデルによる平均含水率の計算結果はおおむね実験結果と合致したが、再蒸発過程においては境界面の位置による違いの影響が大きく現れる。しかし含水率分布に関しては実験結果に現れている二極化傾向がうまく表現されている。
さらに各材料における境界面での熱および水分の伝達抵抗値を変化させることによって材料内の温度および含水率の分布に対する影響を感度解析し、実験結果に照らし合わせることにより、仮想抵抗値を逆算・同定した。
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