今年度の研究では、先ず九州地区におけるCGSを導入している施設を対象にアンケート調査を行い、CGSの使用現状を把握することにより、問題点などを明らかにした。調査は2001年9月において九州におけるCGSを導入している企業、病院、商業施設、学校、娯楽施設、など業種別の24ヶ所を対象にCGSの導入現状についてアンケートを郵送し、調査を行った。調査項目は大きく建物、システムの運転状況、実績などに分けた。 九州におけるCGSはガスエンジン、ガスタービンで大半を占めており、新エネルギーとして発電効率が高く飛躍的なエネルギー効率を持つとして注日されている燃料電池などは、あまり設置されていないのが現状である。 CGSの発電効率は20.4%〜40%の間にあり、平均定額発電効率は32.4%となっている。CGSの種類別よる定額発電効率がガスエンジンシステムは35.3%となり、ガスタービンシステムは29.5%となっている。 排熱利用システムについては、温水回収が約67%最も多く使用されており、蒸気回収は約25%であった。 排熱の利用としては冷暖房と給湯は殆どである。実際の排熱利用の割合は、12%〜60%の間にあるが、その平均は43.5%となっており、利用可能な排熱を十分に利用していないのが現状であるる。 さらに、今年度では、北九州学術研究都市に導入している新エネルギーシステムを対象にし、主に夏季における燃料電池とガスエンジンの発電状況及びその排熱の利用状況について実測データを用いて分析を行った。その結果として、1)ガスエンジンと燃料電池の発電効率は、規格容量よりやや低いではあるが、ほぼ安定的に運転されている。 2)利用された排熱は現状ではかなり低い。エネルギーの有効利用面から考えれば、地域エネルギーシステム導入をする場合、熱を有効的に利用することはネックである。 3)全体システムを評価する場合、今回の調査においては、システムの廃棄熱量は非常に大きい。 1次エネルギーを無駄なく使用することは大きな問題になっている。
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