研究概要 |
茨城県つくば市長峰に所在する高層気象台では、外気温度,蒸気圧,日射量,大気放射量(1993年以降は赤外放射計での観測による),雲量(9,15時のみ),降水量などが連続観測されている。これらのデータを気象庁,SDP・気象官署の地上気象観測データより入手した。また、1987年1月1日〜1990年2月28日の期間は観測原簿による3時間ごとのデータであるため、中間の時間は補間データとし分析データに整え分析を行った。 東京都八王子市(工学院大学八王子校舎)にて、気象観測器を用い、乾湿球温度,日射量,放射収支量,大気放射量,風速,風向,雨量,SAT,雲量などの気象因子を観測した。SATは建材試験センター規格を参考に標準SAT計を2個,小型SAT計(300×300×50,300×300×25,150×150×50,150×150×25)を10数個作成し、それぞれの特性を明らかにするため長期間の観測を行った。これらの観測結果から大気放射量を推定する式のモデル化を行うために、大気放射量とその他の各気象因子がどのように関連しているかを明らかにした。また、八王子市,つくば市の毎正時データを用い、目的変数に大気放射量,説明変数にその他の気象因子をおき、単回帰及び重回帰分析により相関係数を求め、モデル化のための基礎データを作成した。これらは、シミュレーションなどによらず、実際に気象観測を実施した結果であり、研究の効率上必ずしも有利とはいえないが、実際の値から得られた知見として価値があると考える。
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